京都議定書は、気候変動枠組条約に基づき、1997年12月11日に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議での議決した議定書のことです。京都議定書の議決内容は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一種である二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄について、先進国における削減率を1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内に目標値を達成する、というものです。この京都議定書において、二酸化炭素を多く排出しているアメリカが批准を拒否しているという事は疑問が残ります。議長国である日本も目標達成には厳しい数値であり、今後の日本の環境に対する見方も考えていかねばならないでしょう。

論旨:温暖化は地球の大きなサイクルの中で起こっている、現代人が経験しているような気温変化は(人類誕生後も)過去何度も何度もあった、人類は今回の比較的マイルドな変化にも対応できる、というもの。
論旨はOK。賛成。しかし、語り口はねばっこくていやな感じ。こんな物騒な記述もある。
<では、低地の島々についてはどうだろうか? ツバル国民は一万一千人しかいないのだから、移住は大した手間ではない---とはいえ移住が必要になったら残念ではあるが。でもツバル国民のほうがむしろそれを望むかもしれない。> (p.122)
ってこんな簡単に移住ができるならパレスチナ問題なんて起こってないぜ。特に最後の一文が気分悪いね。望まないでしょ。ヒトラーかスターリンのような発想ですな。
ということで、こういう軽薄な箇所を削って出して欲しかった一冊。
* 実際には、本書でも他の本でも言われているが、今後一世紀の海面上昇は極めて限定的で、15センチメートル程度と予測されている(アル・ゴアは数メートルの上昇をいろいろかき集めて「調達」しているが、かなり蓋然性は低い)。ツバルでも、100年くらいは、護岸とかの非気候的方策で対応が可能。
この本は、約400ページにもなるものでレビューした「『地球温暖化』論に騙されるな!」の2倍のページ数であるから、より多くの議論がなされているのは当然である。その詳細はレビューは出来ないが、温暖化に議論は大きく3派に分かれ、次のようなものである。
1)地球温暖化は確実に起こっていて、人間によるもので、いますぐ二酸化炭素排出を止
ないととんでもないことになる。2)温暖化はしているし、人間のせいだけれど、そんなに大騒ぎするほどのことではないので対策もゆっくり考えればいい。どのみち二酸化炭素排出はすぐには止められないし。3)温暖化はしているが、人間による部分はそんなに大きくない,未知の部分があまりに多いから性急な対策はやめるべき。以上で、この本は、3)の立場から見解を詳細に論じている。この本は3)の立場だから「『地球温暖化』論に騙されるな!」の内容を含んだ議論がなされていて参考になるが、まだ多くの未知の部分があるから、学者の著書らしく明言は避けている。現在の科学では多種の原因が蜘蛛の糸のように絡んでいる現象は扱えない。だから、地球の歴史、過去の観測データー等から予想する”現象論“を述べることしか出来ない。各章の参考文献は殆ど原論文(英文)であるが載せてあり、簡単な用語集もある。この位の知識を持っている事が、現代の我々には必要だろう。最近、新聞記事にあったように太陽の活動は予想に反して低下中である。
昨今姦しい地球温暖化論への、気象学者による痛烈な反論。
趣旨は、近年観察されている温暖化は人為的な二酸化炭素排出によるものではなく、
自然の気候変動周期によるものである、ということ。
そのことを得られる限りの証拠を挙げて、徹底的に論証しています。ここは、温暖化
論争の政治的局面を超えて、学問の推論というものを見せつけられるようで、非常に
エキサイティング。その論証の経緯で、人為的な二酸化炭素排出による温暖化論へ
の、学術的レベルの反論にとどまらぬ、痛烈な批判を展開しています。
温暖化によるメリット(農業生産とか増えるかもよ、など)も証拠を踏まえて提示し、
人為的に如何ともし難い温暖化をなんとか抑止・防止しようとする方向でリソースを
使ってしまうような方策への重大な疑義を提示しています。
温暖化しているという観測の科学的根拠に疑問を持つ立場の人にも、それでもなんで
も温暖化自体は(人為的な理由によるのであれなんであれ)してるっぽいッスよ、という
ことで、新たらしい観点からの証拠を調べられるので重要な一冊かと。
それでもなんでも、やっぱ温暖化はなんとかしないとヤベェんじゃねぇの?という立場
の人にとっても、あり得べき学術的論争とは如何なるものかを目の当たりにする意味
でも、読んで損はないと思われる一冊です。
最後に、やっぱシミュレーションは、その結果を実際の観測結果と照らし合わせること
によって、当のシミュレーションの前提となった変数や変数相互の関連性を検証し、そ
の検証の結果としてより実態に近いであろう仮定を導くための、そのプロセスのひとつ
の構成要素ないしはひとつのツールなのであって、扱える情報量や計算速度がどんど
ん向上することが望ましいことは間違いないにしても、あくまでシミュレーションの結果
をそのまま正しい予測と考えてしまうのは、でっけぇ誤謬なのでありますな。
自然界のメカニズムは、現代の科学をもってしても、まだまだ未知なことに溢れている。
わたしたちは、例えば「雲」ひとつとってみても、それがどのような因子によって変化し、結果どのような影響を導き出すのか、ほとんど分かっていない。
だから、いくらコンピュータが高性能化しても、それはどこまでも予測値の域を出ない。だから、50年後100年後の気温のシミュレーションも、精度という観点からみると絶望的ですらある。それは科学者であれば、温暖化危機説の人も懐疑派の人も同じである。
シミュレーションはあくまでも参考のひとつであり、だからこそ、世界で観測されているさまざまな現象を、ひとつひとつ正確に解析していく必要がある。
本書は、地球温暖化危機説を支えるさまざまな要素を、マスメディアが報じない事実を多数含みながら、丁寧に検証していく。
環境憂慮の言説は、ときとしてヒステリックであり、非科学的である。
地球温暖化というテーマを、もう一度「科学」というスタートラインに戻って考えることは、無駄な努力ではない。
本書は、その一助となるに違いない。
場合によっては、年間1兆円もの温暖化対策予算を、医療や福祉に移行した方が良いかもしれないのだ。
この本は、幅広い領域を丁寧に調べてあります。
巻末の参考資料も充実しています。
優れた「地球温暖化についての辞典」になっています。
また内容も、「エネルギー問題と人類の関係」まで及んでいます。
主張は違いますが、同じ翻訳者の『環境危機をあおってはいけない』ロンボルグ・著(文藝春秋)
と併読すると、マスコミの偏った報道と違う情報を得ることができます。
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